by 西部木工

営業時間:9:00~18:00(平日)
TEL:0884-49-6660
西部木工

by 西部木工

  1. TOP
  2. 豆知識
  3. 木工家具・木工什器で使用されるMDFとは?

豆知識

Did You Know?

木工家具・木工什器で使用されるMDFとは?

家具づくりや店舗什器の現場では、表面材だけでなく「基材選び」が仕上がりを左右します。その中でもよく使われるのがMDFです。名前を聞いたことがあっても、実際どんな特性があり、どんな基準で選ぶべき素材なのか分かりにくいという声も多い素材です。本記事では、MDFの構造・規格・特徴・用途を初心者にも分かりやすく整理し、木工製品の素材選びに役立つ知識をまとめました。

MDFとは何か?

MDF(Medium Density Fiberboard)は、中密度繊維板とも呼ばれる木質材料で、木材チップを蒸煮して繊維状にほぐし、樹脂と混ぜて成形した板材です。繊維を細かく分散させる製法のため、内部まで均質で、面も小口も非常に滑らかです。ここが、木片をそのまま成形するパーティクルボードとの大きな違いです。

同じ「ファイバーボード」の仲間には密度の違いで3種類あり、

・中質繊維板(MDF)
・硬質繊維板(ハードボード)
・軟質繊維板(インシュレーションボード)

に分類されます。

MDFはこのなかで“中密度帯”に位置し、加工性と強度のバランスが良い材料として家具・什器分野で広く採用されています。

MDFの規格(JISによる分類)

MDFはJISによって種類・サイズ・品質基準が細かく定義されています。これは製品を選ぶ際の指標にもなるため、家具・什器製作では押さえておきたいポイントです。

1. 種類

JISでの分類は次のとおりです。

・普通MDF(素地MDF・化粧MDF)
・構造用MDF

素地MDFは板そのものの状態のことで、これを基材にしてシート・フィルム・含浸紙などを貼ったものが化粧MDFです。建築用途には構造用MDFが用いられ、こちらは強度や寸法安定性が求められる部位に使用されます。

2. サイズ

MDFは厚み2.5mmから30mmまで幅広く規格化されており、幅・長さも複数のバリエーションがあります。

特に910×1,820mm(サブロク)や1,210×2,420mm(シハチ)は、現在でも流通量が多く、什器製作でも採用される定番サイズです。これは、尺を基準とした建材サイズの名残がそのままJISにも引き継がれているためです。

MDFの特徴(メリット・デメリット)

MDFは木質系材料の中でも扱いやすく、加工の自由度が高い素材です。

メリット

・表面が非常に平滑で、塗装仕上げが美しい
・小口も緻密で、曲面加工や彫刻に適している
・湿度変化による伸縮が比較的少ない
・端材や小径木、解体材を原料にでき、環境負荷が低い
・天然木材より価格が安価で品質が安定
・化粧板の基材にした際にもムラが出にくい

特に、意匠性重視の家具や店舗什器では「加工後の仕上がりが安定する」点が選ばれる理由として挙げられます。

デメリット

・高湿度の環境では膨張や劣化が起こりやすい
・水に弱く、屋外用途には不向き(※耐水MDFを活用することで対策可能)
・ネジの保持力は合板に比べると弱い

MDFは“乾燥した室内環境で使う”という前提があるため、用途に合わせて場所を選ぶことが必要です。

MDFはどんなところに使われている?

MDFは意匠性が求められる家具や住宅建材など、幅広い分野で利用されています。

・家具(扉・側板・背板)
・店舗什器
・住宅向けの造作材

まとめ

MDFは「加工性」「平滑性」「価格バランス」に優れた、家具・什器製作に欠かせない木質基材です。JISの規格や特徴を理解した上で用途に合ったグレードを選ぶことで、仕上がりの質を大きく高めることができます。木工製品の素材選びに迷った際は、MDFという選択肢を一度検討してみてはいかがでしょうか。

お問い合わせ・ご相談は、
お電話またはメールフォームより承ります。

カタログ請求 お問合せ