使いやすい造作収納家具を実現する設計ポイント
収納家具は、ただ物をしまうだけでなく、日々の暮らしの質を大きく左右する存在です。特に、空間に合わせてオーダーメイドできる造作収納家具は、最高の収納力を実現できる一方で、設計次第で使い勝手が大きく変わってきます。ここでは、単に「たくさん入る」だけでなく、「もっと使いやすい」造作収納家具を実現するための、重要な設計ポイントご紹介します。
使いやすい造作収納家具を実現する設計ポイント
①使用頻度に応じたゾーニングと配置
物の使用頻度によって、収納場所を「ゴールデンゾーン」「レギュラーゾーン」「オフゾーン」に分け、最適な位置に配置することが、使いやすさを格段に向上させます。
・ゴールデンゾーン(目の高さ~腰の高さ): 最も頻繁に使う物(日常衣類、よく読む本、食器など)を配置します。
・レギュラーゾーン(手の届く範囲): 週に数回使う物(季節物の洋服、書類、調理器具など)を配置します。
・オフゾーン(高い場所、低い場所): 滅多に使わない物や、シーズンオフの物(防災用品、季節の飾り、アルバムなど)を配置します。
②スムーズな開閉と動線設計
扉や引き出しの開閉がスムーズであること、そして家具の周りの動線が確保されていることは、日常のストレスをなくす上で非常に重要です。
・扉の種類と開閉方向: 開き戸、引き戸、折れ戸など、扉の種類は空間の広さや家具の用途に合わせて選びます。扉が邪魔にならないよう、開閉方向やスペースを考慮します。
・引き出しの仕様: フルオープンレールやソフトクローズ機能など、使用頻度や収納物の重さに応じた最適なレールを選びます。奥まで引き出せるフルオープンレールは、物の出し入れがしやすく便利です。
・通路幅の確保: 収納家具を設置しても、人が快適に通り抜けられる通路幅(最低でも60cm、理想は90cm以上)を確保します。
③可動棚と引き出しの最適な組み合わせ
造作収納家具の最大のメリットの一つは、内部の仕様を自由に設計できる点です。可動棚と引き出しを組み合わせることで、汎用性と整理整頓のしやすさを両立できます。
・可動棚: 収納物の高さに合わせて自由に高さを変えられるため、フレキシブルな収納が可能です。将来的に収納する物が変わっても対応できます。
・引き出し: 小物や細々とした物の収納に最適です。種類別に分けやすく、奥にしまった物も引き出すだけで簡単に取り出せます。浅型、深型など、収納物に応じた深さを設定しましょう。
④内部の仕切りやインナーボックスの活用を見越した設計
造作家具の内部を完璧に仕切ることも可能ですが、後から変更できないため、あえてフレキシブルな空間にしておき、インナーボックスやディバイダー(仕切り)の活用を見越した設計にするのも賢い方法です。
・モジュール(基本寸法)の統一: 市販の収納ボックスやファイルケースの寸法を考慮し、内部の棚幅や奥行きを設計すると、後から収納グッズを買い足しやすくなります。
・バーやフックの設置: 洋服を吊るすバーや、小物用のフックなどを適切に配置することで、より効率的な収納が可能です。
⑤照明とコンセントの組み込み
収納家具に照明やコンセントを組み込むことで、使い勝手は飛躍的に向上します。
・内部照明: クローゼットやパントリーなど、奥まで見えにくい収納には、センサー付きのLED照明などを設けると、物の出し入れがしやすくなります。
・コンセント: 掃除機や充電器、アイロンなどを収納内部で使うことを想定し、コンセントを設置しておくと便利です。家電収納の場合は、放熱も考慮した計画が必要です。
これらのポイントを踏まえて造作収納家具を設計することで、見た目の美しさだけでなく、日々の暮らしをより快適に、スムーズにする「本当に使いやすい」収納空間が実現するでしょう。設計の際は、ぜひこれらの視点を取り入れてみてください。
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